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バージョン17から提供されるARMビルド版Modoプログラムについて


https://www.youtube.com/watch?v=J_TWL-1Sldw

従来までのMacOSX版のModoプログラムは、Intelチップに対応したプログラムであり、現在標準となっているAppleSilliconチップにネイティブに対応したものではないため、AppleSilliconチップの性能を十分に引き出せるものではありませんでした。Modo 17シリーズからは、Apple Silliconに対応したARMバージョンのMacプログラムが提供されるようになりました。

このビデオでは、IntelバージョンのプログラムとARMバージョンのプログラムについて解説していきます。

お使いのコンピュータでどちらのプログラムを使用するのが良いのかを判断するには、まず最初にお使いのコンピュータに搭載されているチップの種類をご確認ください。搭載されているチップを確認するには、Appleメニューの「このMacについて」を実行します。そうすると、搭載されているチップが記載されています。

お使いのMacがIntelチップ搭載のコンピュータの場合、ARMバージョンのプログラムをお使いいただくことはできません。その場合には、Intelバージョンのプログラムをご利用ください。

お使いのMacがAppleSilliconチップ搭載のコンピュータの場合、ARMバージョンのプログラムおよびIntelバージョンのプログラム、どちらもお使いいただけます。ARMバージョンのプログラムの方がネイティブに対応しているため、パフォーマンス性は優れていますが、各々使える機能に制限があります。制限については、また後で説明します。

ARMバージョンのプログラムは、Intelバージョンのプログラムよりもパフォーマンス性が優れていると言いましたが、一つの機能に限ったことではありません。シーンの読み込み、ビューポートにおける描画、デフォーメーション、シミュレーションの再生など、いたるところでパフォーマンスの向上がみられていますが、特に顕著に差が出ると思われるレンダリング時間について、2つの例をご紹介します。

一つ目の例では、17.0v3においてレンダリング時間がIntel版では01:34:14、ARM版では01:02:45となっています。

さらに2つ目の例では、16.1v8において12:57:42、17.0v3Intel版では07:12:16、ARM版では04:56:21となっています。

とくに2つ目の例では、同じIntel版プログラムではあっても、16.1よりも17.0のほうがレンダリング時間が短縮されていますが、シーンの作り方であったり、使っているマテリアルや透過・屈折の具合などの条件によって、異なってきます。ですので、シーンによっては16.1と17.0のIntel版プログラムのレンダリング時間に差がない場合もあると思いますが、その場合であっても、Intel版とARM版では、ARM版の方がはるかにレンダリング時間の短縮が図れることは確認できています。

このようにARMバージョンはパフォーマンス性が大変優れているので、AppleSilliconチップ搭載のコンピュータではARMバージョンだけを使えばいいように思えますが、ARMバージョンのプログラムにはいくつか制限があります。

17.0v4リリース時点においては:

・Full Body IK (フルボディ IK)
・Pose Tool (ポーズツール)
・アニメーションリターゲティング
・AxF マテリアル
・AxF マテリアルチャンネル (シェーダツリーのエフェクト)

以上の機能はご使用いただけません。これらの機能は外部ライブラリを使用して実装しているのですが、この外部ライブラリ自体がARMアーキテクチャに対応していないため、ARM版プログラムには搭載することができないためです。将来的には別のライブラリへの置き換えによる機能の実装は予定されているようです。ですので、上記の機能を使いたいという場合にはIntel版プログラムを使用していただくことになります。

逆に言うと、外部レンダラーであり、バージョン17シリーズから標準搭載されているOctaneRender Primeは、ARM版のModoプログラムに対してのみ搭載されています。このためIntel版プログラムではOctaneRenderはご利用いただけません。OctaneRender Primeを使いたいという方は、AppleSilliconチップ搭載のマシン上で、ARM版のModoをご利用ください。

このように、お使いの環境、また使う予定の機能によってIntel版を使うのか、ARM版を使うのかというのが変わってくるかと思いますので、ケースに応じて使い分けるようにしていただけらと思います。

2024年4月18日